顧客リサーチ Research
ネイル、エステ等の技術力が高まり、自分を指名するお客様も増えてくると、「独立してオーナーになってみたい」と考えるようになる方も多いと思います。
今、自分についているお客さんが全てとは言わずとも、7割は毎月来てくれるとしたら・・・
「このくらいは売上が上がるだろう」
「賃料と材料費を考えても、このくらいは利益が出るだろう」
そんな風に考えられるかもしれません。
オーナーになる夢を持つということは、とても素敵なことです。
自分の理想のお店で、自分の技術を売り、お客様にご満足いただくことができるなら、とても楽しく幸せなことだと思います。
ただ、「技術力があり、お客様からも人気がある」ということと、「サロンで独立開業できる」ということをイコールで結びつけることは、少し待っていただきたいのです。
なぜなら、「今、自分を指名している顧客が本当に、独立開業したサロンに来てくれるか」は、「わからない」からです。独立開業したネイリストエステティシャンさんから、次のような問題点をよく聞きました。
・雇用されているお店との雇用契約や入社の時のオーナーとの約束
「辞める時に、お客様を持って行ってはいけない」
・自分を指名してくれていたお客様が実際開業した際に、通ってくれなかった。
・技術力はあるはずなのに、中々新規のお客様が来てくれなかった。
お客様は技術力やデザイン力はもちろんのこと、場所(自宅が近い、会社が近い等)やお店の雰囲気、お店自体の信用度を含め、様々な観点で選んでいます。「今いるお客様が本当に来てくれるのか」、「新規のお客様を本当に獲得できるのか」そして、「どうしたらそのお客様がきてくれるのか」という点は、客観的に状況分析を行うことが必要です。そしてそれを分析するためには、自分自身の力を客観的に分析するとともに、お客様についてもリサーチするということが重要なのです。
大切なのは、


開業計画 Plan
独立開業を決めたら、
開業計画を考える派? 無計画派?
独立開業を決めたら先ずは開業計画(事業計画)を考えましょう。
開業計画(事業計画)を立てるならば、1年分は最低でも考え、「石の上にも3年」と言うように3年位は頑張る強い意志を持ちましょう。また、撤退(廃業)するメドも考えておきましょう。赤字の垂れ流しが一番怖いです。ダメな時は諦める。決断する強い意志も必要です。
そして、大切な開業資金。自己資金派、家族から借りる派、創業融資など外部から借りる派等。
独立開業するということは、自分で稼ぐということです。サロンに所属していたときとは異なり、毎月の給与はありません。
お店開設のイニシャルコストとランニングコストはもちろんのこと、自分の給与(生活資金)分も考える必要があります。お店のランニングコストとしては、およそ6か月分の目途をつけておいた方がいいかもしれません。
また、当然事業として行ったのであれば税金を納める必要があります。個人であれば3月の確定申告を行う必要あります。2023年10月からインボイス制度が開始されます。個人事業主も無縁ではありません。インボイス制度を確認してください。


サロンのスタイル Style
自宅開業派? 店舗借りる派? シェアサロン派? レンタルサロン派?
大切なのは、
・自宅で開業する派のネイリスト、エステティシャンなども多くいます。お客様を掴みトントン拍子に成功して行くケースもあります。自宅で開業する場合、お客様をある程度持っているケースが多く、お客様の紹介など口コミで新規を増やすことが多いいようです。
・店舗(空中階オフィス含む)を借りる派のネイリスト、エステティシャンなどは開業資金が多く、開業計画を立てているネイリスト、エステティシャンなどが多いと思います。イニシャルコストとランニングコストが掛かりますので、最初からある程度のお客様を持っている可能性が高いです。お客様を持っていることである程度の毎月の売上が計算できることが強みです。
・シェアサロンや美容院の一部を間借りする派のネイリスト、エステティシャンなどは、シェアサロンの場合、時間貸しや日貸しなどお客様が来られる時に借りることが出来るのでコストを抑え、副業で行っているネイリストもいるようです。この場合もある程度お客様を持っていることが必要だと思います。美容院の一部を間借りする場合、美容院とのシナジー効果はあまり期待出来ないようです。また、美容院の雑務など気を遣うことも多いようです。
・レンタルサロン派のネイリスト、エステティシャンなどは自分の店舗(空中階オフィス含む)を持つ為のファーストステップとして考え、お店を運営していくことが肝心です。レンタルサロンでは、自分の店を持つのと同じです。新規顧客開拓の為宣伝広告を考え、リピーターになって頂く為の努力を怠らず。サロンの収支を考える必要があります。店舗(空中階オフィス含む)と違うことは、イニシャルコストとランニングコストが低く抑えることが出来ることです。よって、レンタルサロンで開業し軌道に乗れば、店舗(空中階オフィス含む)での開業も夢ではありません。
お客様が付いてくると思っていたものの実際開業したら最初だけで継続しないケースが多くあります。自信過剰に注意し、臨機応変に対応出来る体制が最善です。



サロン開業場所 Place
開業場所は、人気エリア派? ローカル派?
大切なのは、
サロンを開業する場所を決めましょう。
開業する場所選びは、生死を決すると言っても過言ではありません。
ニーズの高い人気エリアを選ぶか?
人気エリアから外れたローカルエリアを選ぶか?
これは、難しい決断です。
人気エリアはお客様が多い分競合相手も多く、競争が熾烈です。また、コストも多く掛かります。
ローカルエリアは顧客開拓が大変ですが、一度顧客を掴むと継続性が高く、安定します。また、コストも人気エリアよりも低く抑えられます。
サロンを営むということは、事業を営むということです。
長く継続出来なければ意味がありません。


技術力と経営力 Skill&Power
大切なのは、
サロンのオーナーとしての最新ネイル、美容界のトレンドを掴む事は必要です。
各種セミナーや雑誌などを通じて最新の情報を収集しましょう。
お客様のニーズにお応え出来る技術を習得すべく努力を続けましょう。常に新しいトレンドをお客様にご提案出来ることが、お客様の来店継続へと繋がるものと思います。
最後にサロンのオーナーになるということは、お店を経営することです。
売上と販管費(経費など)を意識し、売上アップ、集客戦略、経費の削減など考えることは多岐に渡ります。
雇用者から経営者へと意識変革を行い、長期間継続出来るお店作りを計画してください。経営を行っていく上で経済は変化することを常に意識することです。リーマンショックや震災、コロナ禍など、経済に影響を及ぼす変化がいつ起きるかは分かりません。経済の沈下、不景気によりお客様の節約傾向や自粛が増す場合もありますし、景気が上向きになり、トレンドが変化することも考えられます。
如何なる時にも対応出来る臨機応変な経営的思考と蓄えを備えておきましょう。継続出来ることがお客様の信頼へと繋がり、お店の繁栄へと続いていきます。